Geneva, SWISS


国民の生活が豊かで、安全は欧州大陸随一、世界中の金持ちが退職後に住んでみたいと思れているスイスのなかでも、欧米の雑誌などで「世界の住みやすい街」の統計、世界中の
350の都市を対象にした「暮らしの質」の統計で、常に上位を占めるジュネーブやチーリッヒ
のタクシー視察結果を報告する。

今回スイスを選んだのは「法人タクシーと個人タクシーが折衷(せっちゅう)している事業形態」
を見に成功させていること、先進的な交通政策などを勉強するためである。

スイスは九州とほぼ同程度の面積人口約730万人が住み、うち2割は外国人。4つの公式言
語が話されている。中・東部のドイツ語約
65%、西部のフランス語19%、南部のイタリア語
8%、山岳地帯のロマンシュ語1%。最近では英語の勢力が増してきている。学校教育に導入
されたほか、職場での利用も
1990年には15.9%だったのが2000年には21.7%と、5人に1人が
英語を使うようになっている。数年前から保護に力を入れられてきたロマンシュ語は、残念
ながらその甲斐もなく衰えを見せている。面積は日本の九州とほぼ同じ。正式国名は
「コンフェデラチオ・ヘルヴェティカ」と言うラテン語で、略称の「
CH」は、車のナンバー
プレート他、通貨や切手に使用。

 国際都市ジュネーブのタクシー 

 コアントラン空港のタクシー乗場には、日本ほどではないがタクシーの列が続いており、
紺やプラチナ色のドイツ車が目立つ。運転手は皆私服で、車のエンジンを切って、車外で
仲間と話す者が多く見かけられた。空港から西へ約
6kmの市街地まではバスで2スイス・
フラン(※以降
CHF1 CHF100円。日本円に換算しやすいので以降円換算は省略)
市街地までタクシーで向かえば、約
30 CHFとチップ。定額料金はない。

スイス国鉄も空港に直結するという便利さだが、我々はバスで市の中心部へ。
市内観光をしようと思い、いくつかのタクシー会社に問い合わせてみる。ジュネーブ市内
には
10のタクシー会社があり、スイス全土にはおよそ100のタクシー会社がある。
「日本人のタクシー運転手はいますか?」「定額料金での観光は?」などと聞きながら、
最終的に個人タクシーのミカエルさんに出会った。デンマーク人の運転手で奥さんが日本人、
フランス語はもちろん、ドイツ語、英語を話す。
200近い国際機関が集まる国際都市
ジュネーブでは多国語を話すことが仕事に大いに役に立つ。奥さんと日本語で話せば、
日本語も話せるようになるかも。

8人乗りの大型ベンツのディーゼル車で市内の名所巡りを開始。ジュネーブに限らず、
スイス全土にはバス・タクシー専用レーンが完備されており、快適な走行が可能。
他の国と異なり、通行制限は遵守されているとのこと。ジュネーブ市当局が設定する
タクシー料金は、初乗り
6.3 CHF、加算1kmごとに2.9 CHF
初乗り
6.3 CHFはスイスではタバコ1箱の値段。マクドナルドでは10 CHF以下のメニュー
のほうが少ない。ミカエル運転手の話によると、法人タクシーで運転手として働きながら、
個人営業認可取得まで
6年待ったという。氏はタクシー業だけで年間600万円近くを稼ぐ
高所得者。これだけ稼ぐことができると皆タクシー業を目指すが、免許を取得するのに複数
の語学試験などかなり難しい条件をクリアしなければならない。法人タクシー乗務員の資格
は日本と同じで
2種免許のみ。料金体系や事業者関連事項は、後に登場するチューリッヒで
詳しく述べる。

ヨーロッパ最大の湖、レマン湖上の大噴水(ジェッドー)、同市のシンボルに到着。
140
mの高さまで湖水を噴き上げるために1,360馬力のモーター2個を使う。その後も市内に
点在する洗練された公園など、駆け足で1時間あまりの小旅行、メーター料金
134 CHF
チップを加えて
150 CHFを支払った。チップは強制ではないが料金の1割程度で充分。

公共交通機関を完全無料にする日を設けたり、市街地での車両乗り入れ禁止、
パークアンドライドの中継パーキングの無料化、公共交通機関の乗車券提示による各施設や
スーパーでの割引など、渋滞緩和政策では日本が大いに見習うべきところがあるジュネーブ
だが、残念ながら、限られた時間ではそれらを調査することはできなかった。

「闇のあとに光りあり」という標語を掲げる美しい街、どこを見渡しても絵になる街、
ジュネーブから我々は隣国フランスへと向かう。

The Alps

 アルペンリゾートの電気自動車タクシー 

 高速A40に乗りシャモニーに向かっておよそ100キロ。2車線でとても走り易い。
郊外を抜けると、変化のある山並みが始まり、谷間の道は次々に景色が変わって、快適な
ドライブコースが始まる。国境を越える前に、スイスで発行された地図を購入。精密工業の
国スイスの地図は見やすく繊細である。シャモニーという地名は知らなくとも、ヨーロッパ
大陸最高峰モンブランはとても有名。シャモニーはそのモンブランへの登山基地として発展
した街である。街は車やバス、タクシーが行き交い活気がある。ロープウェイを乗り継ぎ、
標高
3842mの展望台へ。そこから見上げるのは標高4807mのモンブラン。
大迫力で圧倒される。その後、バスと電車を乗り継いで、アルプスの女王山脈マッターホルンの玄関ツェルマットに到着。静かな環境と清らかな空気、のどかで美しい山村で休憩する

この村での移動手段は馬車ではなく、何と電気自動車タクシー。最大で7名ぐらいは乗車
可能だが座席がとても狭いので乗り心地は良くない。座席ではなく荷物置場のスペースの方
が広い。箱型のこの乗り合いジャンボタクシーはおもちゃのような外見であるが、
この村では唯一にして最も速い移動手段である。各タクシーは営業範囲を持っており、

3
つのゾーンで定額料金を設定している。メーターはなく、人数、荷物の有無、行き先に
応じて料金が決まるので、仮に多人数で①という最も短い区間を運行した場合が1人当たり
の料金が最も安い(約
12 CHF /人)。1人で③という最長区間を運行した場合は33 CHF
最も高い料金となる。
 この村ではガソリン・ディーゼル車ともに乗り入れが厳しく禁じられている。
事前に調べていた我々は電車で村へ入ったが、もしガソリン車で来てしまうとかなり手前
から、きっちりと進入規制の網にひっかかる。ちなみに電気自動車は1台約1千万円もする
らしいが、観光・登山・スキー客相手にタクシーとして元が取れるのだろうか。
旅行雑誌などによく登場するマッターホルンを初めとして、数日間はゆっくりとスイスの

360
°パノラマを堪能する。天気が悪いと、いくらいい景色を見ても気が重くなってくるが、
この日も含め毎日晴天続きだ。

 アルプスの真ん中に開けた草原にぽつんとできたようなアンデルマットという村を通り、
スイスのほぼ中心部、
2つの湖の間に位置するインターラーケンへ。かつてはアルプスの中心
として颯爽たる風格を持っていたが、今では安っぽい遊園地のような建物に沿って多くの
観光馬車が走る。街のいたるところに車両規制の標識がある。中には犬の散歩まで禁じて
いるものもある。

バスターミナルにて黄色の「郵便バス」を見かけた。スイスの郵便バスが郵便物だけでなく
乗客も載せるのは郵便馬車のなごり。スイス国鉄とならび、時間に正確で、確かな交通手段
という評価が定まっており、路線は750、運行総延長距離は今や1万キロメートルを超え
る。バスは
2000台を数え、年間で延べ1億人を上回る乗客を運ぶ産業に成長している。 
2006年7月、国営のスイスポストはバス事業を切り離し、郵便バスは株式会社として新たな
百年の一歩を踏み出した。「企業の買収や事業提携などが容易になり、コスト削減による
競争力向上もめざしやすい」ということか。日本では
2007年に日本郵政株式会社が設立され
るが、郵便民営化の世界的な流れの中にあって、全国津々浦々に郵便サービスを提供すると
いう難事業へのスイスの回答と言える。

登山列車を乗り継ぎ、ヨーロッパ最高地点の鉄道駅(標高3454m)、ローヌ氷河を一望
できる場所に到達した。これまで、我々がアルプスを移動してきた登山列車ともいよいよ
お別れ。険しい山々がそびえる国で、これほど密度の濃い鉄道網が敷かれているとは思わ
なかった。氷河急行、ベルニナ急行、ゴールデンパス、数多くの登山列車いずれも日本の
ローカル線より利用客が多いのでは?と思う。外国人観光客の日本人の割合は
30%を超える
らしい。鉄橋や、トンネル、変化に富んだ山々の美しい車窓風景に興味のある方は、GGB
(ゴルナーグラート・モンテローザ鉄道)、PB(ピラトゥス鉄道)、BRB(ブリエンツ
・ロートホルン鉄道)、JB(ユングフラウ鉄道),RB(リギ鉄道)などのキーワードで
検索をかけると詳細を見ることができる。


バスで曲がりくねった険しい峠を越える。転倒防止の側壁や支柱は一切無い。女性運転手の
ハンドルさばきに我々一行の人命が委ねられる。
よりによって1車線のトンネル内でエンジン
が故障し、寒いアルプス山脈に取り残されそうになりながら、ルツェルンという街に到着。
スイスといえば
5000kmを超える路線、世界一の鉄道王国。鉄道に乗れば乗るほどタクシーの
調査がおろそかになるうえに、電車内は世界一高い物価の国の中でも、最も物が高い場所の
一つ。

ルツェルンではトラムに乗って中世の面影を残す旧市街、鉄道好きにはたまらない欧州一の
交通博物館、有名な橋、記念碑などを見学。流しのタクシーはなく、駅の前や広場などにあ
るタクシー乗場から乗るか、ホテルやカフェで個人タクシーを呼んでもらう。また、予約し
たタクシーは、指定時間に指定場所にくるだけで、運転手がわざわざ知らせにくることは
通常ないため、通りに出て待つ必要がある。

小説「ハイジ」の舞台、マイエンフェルトでは、見慣れ始めた牧歌的な景色の
クライマックスとなった。タクシーは
1台たりとも存在しない。

パスポートコントロールは無く、アルプスに囲まれた公国リヒテンシュタインに入る。
オーストリアから入国する場合は検問所があるらしい。小豆島と同じ面積。

外交等をスイスに委任しており、通貨や電話などはスイスと共通。一般の国民には直接税が
無い。
歩行者専用道路が多く、車両は曜日や時間によって規制される。

余談になるが国境に関して。EUに加盟しないスイスは、これまで要求されていなかった
税金を突然課税されたり、急に国境検査が強化されてあちこちの国境で渋滞が発生したり
している。スイスからドイツへ、あるいはドイツからスイスへ働きに行っている人々、
あるいは週末などスイスからの買い物客(ドイツの物価はスイスよりも安い)は国境通過に
何十分もかかり、顔見知りの検査官にわざわざパスポートを見せ、通勤時間等に多大な時間
をかけなければならないことに怒りや呆れの声を大きくしている。

Zurich

 チューリッヒ最大のタクシー会社へ公式訪問 

 いよいよ、今回現地タクシーでの取材許可を頂いたチューリッヒのタクシー会社
TAXI 444」へ。この444という覚えやすい会社の名前は同社の電話番号だけでなく、
無線配車センター協同組合、タクシー協会など各組織全体の名前にも使われている。
出迎えてくれたのは、「この道
40年のMr. TAXI Remo Santi(以降サンティ氏)。
サンティ氏の組織・役職・職務内容は関協の理事長に等しい。これまで感じたスイスでの
タクシーの印象や日本のタクシーの話から始まり、
3時間以上に及んだ話を要約する。
数値などは各会社によって異なるものもあるが、氏にはそれらも踏まえた上での業界平均値
を教えてもらう。

  ⑴ ロード・プライシングについて

馬車に代わってタクシーが登場したのは1907年、日本とほぼ同時期。

 北欧で実施されている都市や観光地の環境保全を目的とした道路利用課金(ロード・
プライシング
)、又は都市乗り入れ課金(アーバン・プライシング)はまだ話題になった
ばかりであるが、タクシー会社としては明日にでも導入してほしい。スイスは欧州規格
(パッシプ通信方式)の
ETCを導入実施している。過去に何回か、試験的に日曜日の
マイカー進入規制をしたら、タクシーの売り上げが大幅に上がったとのこと。日本で
普及しつつあるカーシェアリング(会員制レンタカー共同利用)なども先進している
スイスが手本となっている。


⑵ タクシー台数、総量規制について

人口37万人のチューリッヒのタクシー台数は1350台、空港専用が120台。そのうち400
の法人・個人タクシーを見事に組織化したのがサンティ氏の
444タクシー。法人タクシー
と個人タクシーはお互いに同じ無線協同組合に属していることもある。法人・個人を
別枠で考えてしまう日本と大きく異なる点である。日本でもが台数規制が無いために、
ヨーロッパで最もタクシー密度が濃いという街に。交通局は現状の市場の流れから台数
規制は不要と判断。タクシー事業者は
1200台が適正台数であるという要請をしている
が、談合はできないので少し供給過剰になってきている。

⑶ タクシー乗務員の所得について

税金を引いた賃率は45%。確定申告で所得税等15%程度の税金を払うので賃率は日本と
それほど変わらない。タクシーに限らず、低所得者で収入
1ヶ月分、高所得者で3ヶ月分
の税金が相場。
(参考:タクシーにもかかる消費税は7.6%。EU加盟国と比べると低
い)
タクシー乗務員で
年間売上1000万円だとすると、450万円が年収となり、あえて
区分に分けると低所得者に属する。日本に比べて年金は多いので、高年齢で働く意欲は
日本よりは低い。

先般イタリアのタクシー組合がタクシー認可規制緩和反対のストライキを展開したが、めったにストライキをしないスイスでも、2005年、賃上げ及び「違法タクシー罰則・罰金強化に反対」するストライキがチューリッヒ空港専用タクシーの労働組合で1週間実施された。結果、労働組合側の要求はほとんど通らず、経営者側の勝利。

⑷ タクシー乗車とクレジットガードでの支払いについて

チューリッヒでは走行しているタクシーを止めて乗ることは危険なので禁じている。
よって、タクシーに「空車」等のウインドサインはない。駐車しているのが「空車」だ。
無線で呼ぶか、駐車しているタクシーに乗るかのどちらかである。

最近増えているのがクレジットガードでの支払い。チューリッヒのタクシー1470台の
月間売上におけるクレジットカードの使用割合は1
0
(約1億円)。タクシー会社は
2.5
%~3%のコミッションをカード会社に支払う。444タクシーオリジナルのクレジット
カード、タクシークーポンの販売に力を入れている。

⑸ 実車率や事故について

空車を含めた稼動割合は昼75%、夜間が25%、市のタクシーの半数が無線営業。週末は
実車率
50%を超える。平均乗車時間は10分~15分。個人タクシーは流し営業。地理が
簡単なので、
GPSはほとんど付いていない。過去の配車歴の統計に基づく曜日・時間別
の配車可能時間を詳細に試算しているので、市内においては分単位での現着可能時間を
把握している。

タクシー事故は少ない。万が一、事故を起こして運転手が入院するような事態になって
も、共済組合などから収入の
8割近くを保障される。ドライブレコーダーは全く普及して
いない。警察がタクシー運行管理全般を管轄。

⑹ 法人タクシー事業者の減少について

30台規模の法人タクシーは次々と個人タクシー化している。個人タクシーの営業許可には
3年間の乗務経験、ドイツ語会話能力、地理試験、交通局の試験合格が条件。労働時間は
1日
9時間まで、週53時間以内。 休憩時間の規定あり。

⑺ 乗務員について

乗務員の平均年齢は45歳。中には学生アルバイトもいるが、若年齢の乗務員が減少して
いる。失業金や生活保護に頼る
25歳以下の若者は増加の一方をたどっているにもかかわ
らず、である。
65歳を過ぎると、5年に1回、眼の検査など厳しい医師の許可が必要。
最高齢は
75歳で全体の5%が女性。乗務員の約半数が外国人で、その国籍数は60カ国。
日本国籍者が
2名いる。スイスの上場会社100社で働く700人以上のマネージャーの国籍
40%が外国人というデータ(欧州最高の数字)もあり、同じく国籍多様なニューヨーク
とは意味が異なる。スイスでは業種に関わらず国際色豊かであり、我々が試乗した
タクシーも毎回違った国籍の運転手だった。

⑻ 料金と福祉タクシーについて

チューリッヒ市局が設定するチューリッヒ全域におけるタクシー料金は、

初乗り:6.0 CHF 加算:1km 3.5 CHF 1時間の待ち料金:63 CHF

但し、注意すべきは約150m間隔でメーターが小刻みに上がること。それらを合算して
上記の料金になるようメーター調整をしており、停止あるいは走行が
10km/時以下に
なった場合にも
63 CHF / 時 相当の待ちメーター料金が発生する。

市が運営している20台の予約制障害者タクシー(車椅子をそのまま搭載可能)があり、
一般タクシーでも障害者手帳を見せると割引が受けられる。障害者割引による差額年間
10億円は市が負担。乗車拒否は法律上禁止されており、訴えられると罰金約200 CHF
(昼勤務の1乗務の営収相当)。乗り合い行為・メーター不使用(交渉制)も禁止。
取材後に我々が乗車した、行き先・目的地が全く同じ
2台のタクシー、1台は19 CHF
もう1台
24.5 CHFであった。他国での試乗調査で、「遠回り」は何回も経験済みだが、
決まった路線が無いタクシーならではのことなので、特に現地言葉ができない観光客は
困る。

⑼ タクシー営業車両の自家用使用について

10年前から車上の広告が許可されたが、広告料が安い上に、個人タクシーは
※営業外では自家用車として使っている
ので、あまり普及していない。

※タクシー車両の通勤使用は、これまで視察してきた国々と同様に何ら問題はない。
行灯やドアの表示はすべてマグネットで貼ってあり、その行灯とドア表示をはずせば、
自家用車と何ら変わりはない。

Mr. TAXI サンティ氏はドアの表示をはがしながら、「日本では営業車両と自家用車に
よるナンバープレートの違い
があるとのことだが、必要ない。」というコメントを
残した

禁煙車の普及度は20%位。チューリヒ中央駅の地下ホームなどの全域禁煙場所での喫煙は25 CHFの罰金。

⑽ 燃料や車検制度について

燃料は95%がガソリン、5%がディーゼル。トヨタハイブリッド車が50台。ガソリン高騰により、ハイブリッド車導入をするタクシー業者が増えつつあるが、今のところ助成金は無い。ガソリンは1ℓ当たり1.68 CHF。メーターや運行記録計及びそれらの検査は法律で義務化されている。警察局の車検を初年度に1回、交通局の車検は2年目以降毎年1回。タクシーの後部ナンバープレートは一般車と同じで、白6桁の番号、スイス国旗と州の略称が刻印されている。

組織図



今回の取材先の詳細は 444社ホームページへ

スイスでは全国的に「タクシーは公共の乗物」という意識が薄く、国の公共設備投資も
まず路面電車(トラム)が優先であった。しかし、近年は「公共交通優先型都市交通政策」
を推進しており、タクシーは準公共交通機関と位置づけられている。特にローザンヌでは
タクシーがトラム路線を通行できるばかりではなく、タクシーのみ進入可能な区域も設けて
おり、スイスで最もタクシー政策が発達している都市といえよう。

おわりに、今回の視察、各都市で度々乗った路面電車トラムについて。トラムは都市部
では完全に市民の足となっている。人よりも優先される??ので、
線路を渡るときなどは
歩行者の方が注意をしなければならない。
2004年には26人の歩行者がトラムと衝突して怪我
を負い、死者が
3人。街のいたるところにトラム専用自動販売機があり、車両は2分単位で
運行している。あまりにも乗り降りが激しく、係員も切符のチェックのしようがないが、
タダ乗りは
80 CHFの罰金。タクシー業界としては、トラムの便利さや料金にはとても及ば
ないので、タクシーならではの便利さを活かしたサービスを展開したいという姿勢だが、
トラムが通行する路線道路(バスは通行可能だが、一般乗用車は通行禁止が多い)のタクシ
ー全面解禁、つまりバスと同等の扱いをしてもらいたいということを主張している。

 我々視察団のような多人数だと通常のタクシーでは分散化して困ることがよくあったが、
今回初めて変わった大型タクシー(荷物コンテナを牽引する)を利用した。ユニークな電気
自動車タクシー、法人・個人タクシーの協同無線など、「国が変われば発想は変わる」、
来年
100周年を迎えるスイスのタクシーの動向にこれからも注目したい。        

この報告書を書き終える頃、9月末の日曜日は、チューリッヒの町の中心部が歩行者天国と
なる。ヨーロッパの
1500の都市で行われる、「町へ行こう!マイカーを使わずに」という
キャンペーンにちなんでのイベントだ。歩行者天国となるだけではなく、町のいたるところ
50近いさまざまな催し物が開かれるらしい。






















































































Athens, GREECE

 晴天のアテネ空港 

ギリシャ国旗のごとく白と青が最も似合う国。飛行機の窓から見下ろす紺碧の海、抜けるよう
な青い空、アテネ空港に我々KUK一団は降り立った。
1F数箇所の出口には50mほどタクシーがずらりと2列に並ぶ。
すべて黄色だがニューヨークに比べると黄色の色は浅い。
また、ドア上部からぐるりと一周たすきをかけたような青い色が入っている。
2Fの入国ゲート前から降りてくるタクシーはなぜか白色が多く、同じく青いたすきをかけた
ような青い線が入っている。空港を警備するパトカーも青い線が入った青いサイレン。

我々はアテネから300km以上離れた都市、ギリシャ正教の聖地メテオラへ向かう。
空港からアテネ中心部を避けながら、郊外を抜けるまでは、オリンピック時に完成した
トラムという未来型の路面電車と平行して走る。
ETC完備の郊外料金所までの約20分は7ユーロ=950円ほど。
料金所を過ぎると信号や十字路がなく、東西の幹線道路もほとんどない。
一直線に延々と伸びる国道を北上する。

 各地方のタクシー 

世界遺産メテオラ町には宿が無いので、隣町のカランバカに泊まる。
人口10,000人ほどのカランバカにはタクシー乗場が中心広場に1つだけ。
無線か電話での営業が中心、メテオラへの観光タクシーがある。
片道所要15分、運賃交渉にて10ユーロ=1,370円。1時間の貸切20ユーロ前後=2,740円。
(以降1ユーロは全て137円で計算する)もちろん交渉して決める。
ある時、ゼウス神が怒り狂って天界から投げつけたといわれる巨大岩石群、
それらの頂上に建立された修道院で中世に逆戻りした錯覚にとらわれながら、
我々はギリシャ正教の知識を深めることができた。

翌日は再びアテネ方面に南下し、古代ギリシャ宗教の中心地デルフィに向かう。
オリーブの木、綿花、穀物、ナッツ、ピスタチオやタバコなど日本では見られない
風景が途切れることなく続く。
2Fや3F部分の基礎工事が未完成の家が多いのは娘婿の結婚時に建て増しするため。
余談だが農業関係や建築現場の労働者のほとんどがアルバニア人、
家政婦にはフィリピン人が多いらしい。

メテオラから4時間余り、デルフィ町に到着。メテオラと同規模の町でタクシーの営業形態
はメテオラと同じ。冬はスキー客で賑わう。町から35kmのギリシャ政府観光直営スキー場
へは15ユーロ=2,000円ぐらいから交渉する。
タクシー乗場は町に2つ。アポロンの神殿、宝物庫、古代競技場などの見事な石造建築物の数々は南米ペルーの空中都市マチュピチュを連想させる。

さらに南下し、かつて黄金文明と呼ばれ、トロイヤ文明を滅ぼしたミケーネ文明の遺跡群
へ向かう。そして、古代ギリシャの英雄アガメムノンの巨大な墓にお参りした後、
隣の港町ナフプリオンへ。
町の規模やタクシー営業形態はやはりこれまで訪れた町と同じだが、この町は周辺の遺跡
や島々へのアクセスがよく、何より現代人が演ずる古代劇を生で観賞することができる
エピダブロスの劇場が近いとあって観光客で年中賑わう。我々はさっそくタクシーで
町を周遊する。

地方でのタクシーの色は各地方で統一されている。この町では赤ワイン色で統一。
ナンバープレートは黄色が認可の印。観光客が多く、交渉運賃でのトラブルを避ける
ためにタクシーは全てメーター制、無線付のベンツが多い。ドア全面にゴルフ場の広告を
ペイントしたタクシーもある。メーター料金に加算される迎車2ユーロ=270円などは
交渉してまけてもらえる。

数台のタクシーへの試乗結果、いずれのタクシーのメーターも非常に小刻みに加算した。
(運賃設定は後のアテネ市の項を参照)領収書はロール紙プリンター式で非常に細かく印字
される。領収書の感熱紙は横3cm、縦15cmもある。ギシシャ人の夜は長く、特にナフプリ
オンは深夜2、3時でもタベルナ(居酒屋)に人が集まる。

  アテネに到着・乗車拒否の連続 

ナフプリオンの近くにはさらにコリントスという港町がある。周辺には古代ギリシャ商人で
栄えたコリントス遺跡があるが、この町は何と言ってもイタリアからエーゲ海を直線的に結ぶ
壮大なコリントス運河が有名である。
運河を通過する船舶が展望できる橋にはタクシー乗場が設置され、シルバー色のトヨタや
ベンツが客待ちしていた。街灯などにラジオタクシーの会社の宣伝がいくつか見られた。
コリントスからアテネにつながる幹線道路に入る際に渡った橋は日本が技術を提供したもの
で、明石大橋に良く似ていた。
明石大橋の半分ぐらいの長さだが通行料10ユーロ=1,370円。歩行者は無料。

いよいよアテネ市まで60kmぐらいの所に来た。車線は徐々に広がり、交通量も増えてきた
ようだ。アテネ市の中心部へは自家用車の乗り入れを奇数日は下一桁の車番が奇数の車両のみ
(偶数同じ)と制限している。抜き打ちでたまに取り締まる程度なので、この日は取り締まり
現場を見ることはできなかった。違反者には多額の罰金があるらしい。ナンバープレートを
2枚所持して付け替えるなどして対応している者が多く政策の見直しが必要。

夕日が沈むパルテノン神殿を見ながら、市の中心シンタグマ(憲法)広場に辿り着いた。
ここで流しのタクシー試乗調査をするが、行き先が近いため数台続けて乗車を拒否される。
ギリシャでは腕を横に広げ指1本を出して乗車意思を示す。しかたなく広場の片隅で客引きす
るタクシーに乗車しようと試みるが近距離では乗せてくれないようだ。「その距離で向かう
のは難しい。ただし、観光で周遊するなら私に任せてくれ」と言って名刺をくれる運転手まで
いた。わざと遠方の行き先を告げてから、途中で目的地を変更することも考えたが、結局は
広場からほど近いところでタクシー乗場の看板を見つけてそこで乗車する。メーター運賃通常
3ユーロ=410円の距離で、10ユーロ=1,370円を支払うはめになった。後で分かったことだが
、かなり遠回りされてしまった。年間で1,500万人が訪れる観光国ギリシャのタクシー運転手
は、観光客に悪い印象を与えることなど全くお構いなしのようだ。

 アテネのタクシー運賃と物価について 

EU諸国で最も安いギリシャのタクシー運賃は次のとおり。

◎ 初乗0.85ユーロ=115円(乗込後即加算)

 加算1km0.30ユーロ=40円、郊外での加算は1km0.56ユーロ=77円

※港町ナフプリオンで試乗したタクシーは100m0.3ユーロぐらい

◎ 夜間の加算は市内・郊外ともに1km0.56ユーロ=77円

◎ 待機運賃1時間7ユーロ=960円

◎ 空港の送迎は3.00ユーロ=410円の追加運賃

◎ 海港や鉄道駅の送迎は0.80ユーロ=110円の追加運賃

◎ 無線配車料金は1.50ユーロ=205円の追加運賃

◎ 無線配車時間指定料金は2.50ユーロ=343円の追加運賃

10Kg超える荷物1個につき0.80ユーロ=110円の追加運賃

◎ タクシーのミニマムチャージ(乗ってすぐ降りても支払う最低運賃)が市内で1.75ユーロ
=240円、郊外で2.00ユーロ=274円

 通常タクシーでチップを渡す習慣はない(クリスマスなどの祝日を除く)ためか釣銭用の
ユーロセントはどの運転手も用意していた。定額運賃や遠距離割引は無い。遠距離の場合は
運賃を交渉して決める。アテネから550km離れたテッサロニキ市まではあるタクシー運転手
に聞くと、300ユーロ=41,000円ぐらいとのこと。ちなみにミニマムチャージの240円で買う
ことができる物は、日本で買えるものと同じような物である。食品・衣料を除けば日本と同じ
物価とみてよい。19%の消費税もかかる。ギリシャではユーロ通貨変更に伴う便乗値上げで、
物価は高騰しているが、タクシーは他の物価に比べて格段に安い。特に加算運賃が安い。多く
のタクシーはディーゼルを燃料とするが、1ℓでちょうど1ユーロ=137円、かなり高い。
参考までにガソリンは1ℓ=1.15ユーロでハイオクは1.3ユーロ。

 ギリシャ流相乗り 

助手席前のダッシュボードに満車(賃走)のサインが、やや見づらいが付いている。寝かせ
ていると空車で、札を立てると満車という簡単なものである。しかし、ギリシャでは1人で
乗った時など、賃走に変更する運転手はまずいない。行き先が同じ方向であれば、先客がいて
も相乗りすることができるからである。ある程度メーター運賃が進んでいるタクシーに乗車し
た時は「この今のメーター運賃を覚えといて」などと言われ、運転手・乗客ともに頭脳メータ
ーを使って乗降車の運賃差額を覚えおかなければならない。車載メーターを改造して2、3人の
行き先の異なる乗客に対応する進化したタクシーも存在する。朝夕のラッシュ時にタクシーに
乗ると頻繁に相乗りすることになるが、この相乗りは法律で一応禁止されている。

 島巡りで見たタクシー 

ギリシャには2,000もの島があり、我々はそのうちサロニコス諸島の3つの島を巡るツアーに
参加した。それぞれ3,000人から15,000人が住む島であるが、フェリーの発着地、発着時間に
は必ず数台のタクシーが並ぶ。車体は白色が多い。ナンバープレートは認可の印である黄色。
これまで見てきた地方のタクシーのナンバープレートも全て黄色だった。車番は「TAA-
5555」などタクシーは必ずTAXIのTAで始まり、それに続くアルファベットで地域を表す。
アテネではTAAとTABしかなく、そのAとBは車両年式で分けている。

島を1時間で1周するのに30ユーロ=4,100円を提示されたが、交渉して25ユーロ=3420円
となった。メーターは付いていたが、下の方にラジオと一体化して隠れて付いているので、
乗ってすぐにはメーターが付いているのに気が付かない。ロバのタクシーや馬車タクシーも
ある。島々を巡る高速艇はあるが、ニューヨークのようなウォータータクシー(海上タクシー
)のようなものは無かった。

 タクシー協会書記長とタクシー業界誌編集長との対談

 私たちはタクシー業界の実情を調べるため、ギリシャ唯一のタクシー業界誌「タクシーマガ
ジン」の編集長アントニス・ストウザス氏とともに、アテネ・タクシー協会に向かった。会長
があいにく出張で不在のため、書記長兼会長秘書のコスタス・ディモス氏へのインタビュー。
 まずはタクシー業界全般、事業者・運転手の資格や条件について聞いてみた。

 アテネ市で事業者になるには、交通省が事業認可を受け付けないため、売却希望事業者と
交渉して事業権利を購入する。法定価格は12万ユーロ=1,600万円であり、地方に行くと幾分
安くなる。2つ、3つと購入して人に貸すこともできる。ギリシャの海運王オナシスであれば
話は別だが、個人で複数の事業権利を持つ者は多くても3つである。

事業者は半年ごとの車両検査やメーター検査が義務付けられている。検査の度にメーター
に封印をするが、私が試乗した時の感覚ではメーターの上がり具合が運賃表に比べて異常に
早いものがあった。車両検査にはもちろん排出ガスの検査も含まれる。

事業者には国から「アディア(認可証)」が発行されるので、運転手は車内に携帯が義務付
けられているこの許可証を、乗客の要望があれば提示しなければならない。また、事業者証明
ステッカーのフロントガラス貼り付けも全ギリシャにて義務付けられている。このステッカー
は交通局の携帯端末読取機によって、車外からでも本物かどうかを確認できる。今年の9月1日
からこのステッカーの無いもの、偽造などは事業者権利を剥奪される法律が施行された。
また、事業者は年間1,500ユーロ=20万5,000円ほどの認可更新費を運輸局に支払う。
この中には車両や燃料にかかる複雑な税金を、運輸局が変わりに一本化して交通省に収める
費用が含まれる。さらに、事業者は協会にわずかであるが、月1~1.5ユーロ=200円の会員費
を支払う。

その他、今年から領収書がプリンター印字から手書きに変更になった。ただし、地方では
プリンター印字のままである。印字される内容は加算運賃内容が詳細に表示されるものであっ
たので、なぜ手書きに変更したのかは不明。

 運転手になるには、運行管理の難しい試験の合格などの条件があり、世界で最も難しい言語
1つといわれるギリシャ語に堪能でなければならない。2種免許取得後は、1日単位で車両を
借りて営業する。事業者(車両オーナー)への支払いは車種や年式によって違うが、1日35ユ
ーロ=4,800円前後、燃料は1日約25ユーロ=3,430円。1日の水揚は12時間乗っても平均150ユ
ーロ=20,550円ぐらい。運転手の手元に残るのは12,000円ぐらいなので、生活は厳しい。
月単位で車を借りて営業する運転手もいる。

日本でいう労働基準監督署がギリシャにもあるが、タクシー運転手の労働時間だけは監督で
きないようだ。定年退職60歳は日本と同じだが、ギリシャの場合は定年後、嘱託としてでも
仕事に就けない。女性運転手は全体の1%程度。

去年のオリンピック開催前に政府の援助があったので車両は新車のベンツ(Eクラス)が
一番多く、順にSKODA、OPEL、TOYOTA、PEUGEOTと続く。国産車は製造していないので、全て
輸入車。アテネ市では車体とナンバープレートは黄色と指定されている。アテネではタクシー
の他、トロリーバスや郵便ポスト、公衆電話など公共的なものは黄色である。ラジオ(無線)
タクシーは2,000台のグループやその他のグループがあり、盛んに営業している。広告は車内
の一部のみ認められている。(地方では車外ドアも可)。制服みたいなものはなく、サングラ
スも日差しが強いためか認められているようだ。

 規制緩和への動きは今のところないが、アテネのタクシー関係者は一様に規制緩和に反対し
ている。「運転手の明日が見えない」、「交通状況が悪化する」などの多くの反対意見を聞い
た。タクシー協会や組合では増車しないよう交通省に圧力をかけつつも、運賃値上げや、納税
の簡略化を求めて昨年3日間ストライキを行った。

 交通省の旅客課長との対談 

 私たちはタクシー規制の実情を調べるために早朝アテネ市運輸局に向かった。ギリシャ
の官公庁は朝7:00過ぎに始まり、14:00前には仕事を終えて帰ってしまう。旅客課長のMS
.ソモプール氏に話を伺う。アテネ市運輸局が管轄するタクシーの数は近郊のピレウス市
(大阪市と
尼崎市の位置関係)を含めて15,000台である。人口は両市で450万人、全ギリシャ
人口の半分近くがアテネ首都圏に集中している。アテネ市民は2,3ブロックでもタクシーに
乗る習慣があり、タクシーは市民の重要な移動手段である。

まずタクシーは国で総量規制されており、ここ3年間アテネ市のタクシーは増車認可されて
おらず、今後当分の間は増車しないとのこと。他の交通機関の発達により、ますます供給過多
の状況が続いている。運賃についても規制されている。今年もタクシー協会から値上げの申請
は受理しているが、昨年3.5%値上げしたばかりだし、一応検討するがしばらく値上げはしな
いとのこと。タクシー運賃の低廉化は運転手のマナー低下につながるが、ギリシャでは日本
ほどサービス面を重視しないので、顧客の満足を得るにはまず運賃の安さであるということだ
ろう。局の苦情係によると手紙による苦情が多いとのことで、悪質なものは運転手または事業
者を呼び出して罰金や業務停止命令を出す。

 排出ガスによる深刻な大気汚染 

ヨーロッパでは定期的にタクシーセミナーが開催され、各国が問題点について議論しあう。
最近のギリシャのテーマは、イタリアなどで認められるバスレーンのタクシー通行をなぜギリ
シャで認めていないのかというものであった。次回は今年10月21日から3日間初めてアテネ市
で開催される。毎回話題になるのが、欧州全体で取り組んでいるエコ・ディーゼルや新燃料開
発である。アテネ市では大理石の古代遺跡が排ガスによって真っ黒になってしまったという。
最近30年での大気汚染は30年前から紀元前までの間よりもひどいらしい。オリンピック前にす
べてきれいにしたので、現在のところ本来の色を取り戻している。また、路上駐車があまりに
も多いために、慢性的な交通渋滞が発生していることも問題の1つである。公共駐車場がほと
んどない、取締りが少ない、知人の警察官の名前を言えば違反のキップを切られないことが
原因である。

 1週間かけて各地方都市を慌しく駆け巡ったが、ギリシャ人はしたたかでコンプライアン
ス(法令遵守)に従わない国民性のようであるという印象を受けた。陽気なラテン民族の性格
も併せ持つが、初対面の相手にはあまり本音を言わず、まず相手のことを知ってから自分の本
音を言い始めるようだ。今回のインタビューでも日本や大阪のタクシー事情について再三質問
を受けたので、これまでKUKで訪問した各国のタクシー事情を交えながら、現在の大阪の供
給過多で多様な運賃を説明した。































































































































spain_m
Cordoba & Sevilla, SPAIN


◆コルドバとセビリア 
200393

コルドバはマドリッドから新幹線で約1時間半ほどの人口31万人の町である。

マドリッドに夜到着した翌朝なので特に日差しが眩しく感じられる。中心街から10分ほど
のところにある鉄道駅からタクシーに乗り、やや中心街から離れた広場まで
12∈であった。
道はきれいだが工事中で一方通行のところも多く、途中で回り道しなければ
8∈ぐらいが相場
と思われた。コルドバのタクシーは白地に、
CAJA SUL という銀行名が車体後部に目立
つように書かれている。

 給料を運転手に聞いたところ笑ってごまかされたが、特に不満げな様子は見受けられな
かった。運転手は
12分間の乗車時間のうち少なくとも23分は無線でそれほど急を要する
とは思えない話に夢中だった。

 コルドバでのタクシー開業権利料相場は約900万円だが、この運転手の話では車両代
は含まれていないらしい。「コルドバには
350台余りのタクシーが走っとる。
車両は余ってるのでねえか、つまり必要最低限のタクシー運転手がもうすでにコルドバには
いるんじゃ」という内容の話を、語尾を省略する、素朴な印象を受けるアンダルシア訛り
(日本でいう東北弁)で話してくれた。

 メスキータと呼ばれるイスラム寺院は1度見ると印象に残り忘れられない。パティオ
(中庭)や白い家々に囲まれた路地が美しい。これらの観光名所付近、広場から広場へ
は車両が一台通れる程度でかなり狭い。

                                        

 中心街から北へ3kmのところにあるパラドール(国営ホテル)までタクシーで12∈払う。

運転手のサンフランシスコさんに今日セビリアまで行きたいと伝えると110∈で行くという。
100∈への割引を頼んでみたところ、公式遠距離料金表を見せながら、この値段以下
には下げられないということだったが、最終的に運転手は
105∈で快諾した。

 パラドールで休憩後、約束時間きっかりに運転手が現れた。目的地をセビリアから車で
30
分程(30km)手前にある都市カルモナに変更したがもちろん料金は105∈支払った。
スペインの高速道路は、

     主要都市をほぼ一直線につなぐ無料高速道路
    
山間部や交通量が多い区域にある高速有料道路2種類に分けられる。

今回スペインのアンダルシア地方を700km近く移動したなかであった料金所は
たったの一箇所
だけだった。しかも料金は日本の5分の1程度で安い!。

 カルモナまでは140km近いスピードで約1時間の道のりだった。運転に自信があるから
安心してくれと言われたが、運転に集中してもらうため、運転手にはあまり話しかけられ
なかった。カルモナに到着。

カルモナ村と言ってもよいこの小さな町にはメーター搭載タクシーは無い。
その数は
10台。皆副業としてタクシーを運転する。カルモナで出会った地元の運転手、
カルレスさんも本業で運送業を営んでいる。セビリアまでは、他の
9人より、3∈安くして
34∈とのこと。

 スペインではシートベルト不着用違反は100∈もの罰金がある。スピード違反は捕
まった時点で
100∈~200∈の罰金が発生し、これに1km毎に6∈の罰金が追加される。

 スペインの高速道路での制限速度は120kmというのが多かったので、仮に180km
で捕まったとすると
100+60×6460∈(=6万円)の罰金となる。飲酒運転は非常に
厳しく、捕まれば
1,000∈の罰金のうえに、必ず裁判となり、免停期間が決まる。
かなり悪質な場合や繰り返し捕まる者は永久に免許が取り消しとなる。これら罰金の話を
運転手としていると救急車らしき車を見かけたが、それは病院の救急車ではなく、道路での
事故に即座に対応するための救急部隊のようなもので、日々巡回しているとのこと。

                                        

アンダルシア地方最大の都市、セビリアに到着。人口70万人、フラメンコと闘牛の発祥地
で、宗教的な祭事が多い。さすがに中心広場にある教会は巨大でスペイン最大。
「もう中は閉まってるから、馬車で町を一周したらどうだい?」と広場で声をかけられ、
馬車に乗り
4人で30∈払う。馬車がゆうゆうと走れるぐらい道路は整然として広い。
タクシー・バス専用レーンも決められている。セビリアのタクシーは白地にタスキ
のような黄色斜線を引いている。流しのタクシーをたくさん見かけた。流しのタクシー
を拾い、カルモナへと戻る。

 セビリアからカルモナへはメーター付きのタクシー(運転手はセビリア在住、セビリア
市役所登録車両)で戻る。途中、この地点からは料金帯が変わると教えてくれた。
深夜料金も含めて
35∈だったので、行きの34∈の運転手は他の9人より3∈安くしているの
ではなく高くしているだと思う。

 

◆セビリア 200394

 朝早くからレンタカーで、さらに南に向かう。コスタデルソルと呼ばれる海岸避暑地へ
向かう。高速道路は
4車線でとても走りやすく快適。120kmでもあまり速さを感じない。

途中道を間違って県道に迂回するが信号もなく走りやすい。高速道路には日本のように
サービスエリアが日本と同じような間隔で存在する。しかし規模はどれも小さい。

 マラガに到着。人口60万人の港町、ピカソの故郷。やしの木の通りなどで南国気分満点。
国際空港があり、南の玄関と言える。町は今マンションの建設中ラッシュ。

 この後グラナダまで、海岸通り、地中海沿いをずーっと突っ走ってグラナダへ、    
偶然にもグラナダ中心街に出る。グラナダは人口30万人。イスラムの聖地グラナダの
タクシーは白地にタスキのような緑色斜線。目指すアルハンブラ宮殿は中心からやや
離れている高台にあるため意外と遠く感じる。またロータリーや、ロータリーの標識は
日本人は慣れていないので戸惑う。アルハンブラ宮殿見学後、グラナダ空港でレンタカー
を返却。

スペインのレンタカー

ここ数年安くなっている日本のレンタカー料金と比べても、3分の1(日本の3日分で2日間
借りられる)ぐらいは安い。そして、乗り捨て料金はスペイン国内だったら、たったの
18∈だからこれはもう日本とは比較できないほど安い。ガソリンなど燃料も断然安い。
隣国で乗り捨てした場合は特別料金が発生する。
※これらの情報はHARTZレンタカーによる

スペインの車のナンバープレート

例えばMADならマドリードと登録地名が分かるが、EU圏として登録した車はナンバーから
は登録地名が分からない。もちろん
EU登録の車は今後増えていくだろう。

スペインの車検制度

公共車両、大型トラックは1963年ごろに開始されている。乗用車、二輪車の開始は1987
と遅いために、開始当初から排気測定などが最新設備のもと検査が実施されている。

産業省(運用は州政府)ものと85%が民営化され、残りを半官半民(株式の一部を政府が
保有)と公営の機関が分け合っている。車検場は
250ヵ所。

 公共車両、大型トラックは毎年で10年を越えると6ヶ月ごと。9人以下の乗用車は4年まで
は免除でその後は
2年ごとで、10年を越えると毎年。車両保有者が車検場に持ち込む場合が
ほとんどで事前整備は要望があれば行う工場も。特徴的なのは、交通事故を引き起こした
車両に対する検査方法は警察官が判断することになっており、メーカーから資料を入手し、
それをもとに補修状態を検査していること。

 登録自動車数は90年半ばから急激に増加しており、現在約2500万台である。国民2人に
1台以上の車を保有している。

Madrid

 首都マドリッドは州人口550万人、市の人口は300万。(スペイン全土は4,000万余)

― マドリッド市役所 ―

RICARDO ESCASO CASTANO  リカルド・エスカソ・カスターニョ<タクシー課課長>

氏に話を伺う。

●タクシー業を起こすための開業権利について

①この免許に必要な資格は、普通自動車免許に加えて市役所の適正試験、そしてBTP
略される地理、技能、車体構造の試験に合格しなければならない。(
2種免許)課長が言う
には希望者が少なく、それほど競争率が高くないので試験はそれほど難しくないらしい。

②合格後は1,300ペセタ(=1,000万円)を支払い、開業権利を購入する。購入後は個人事業、
個人オーナーとしての権利があるので数名の従業員、代務者を雇うこともできる。

※※マドリッド州の登録開業権利数は15,600あるが、1977年以降は基本的に新規申請枠は
設けておらず、廃業者から新規登録者への名義変更などのみを受理している状態※※

タクシー勤務事情

平均月収は35万円ぐらいらしい。ただし、ガソリン代は含まれていない

月~金曜の平日勤務以外の土、日祝日は奇数・偶数ナンバープレートによる交代制

1日何時間でも好きなだけ働くことができる

無線搭載車(RADIO TAXI)は7,000台あり、タクシー協会に毎月?円支払う

実車率は分からないとのこと(後のタクシー協会では60%ぐらいという話)

運転手の平均年齢は40歳と若い。6065歳代の人も多いと言う

女性は800人。外国人は全体の2%(=300名)で東欧圏出身者が多い。
そのなかで
OIKAWAさんが唯一の日本人。彼の登録免許番号は11208

タクシー事業者の納税は3ヶ月ごとで年末調整がある

― マドリッド タクシー共同組合協会(会議室) ―

ELADIO NUNES PLADA  エラディオ・ニュネス・プラダ 氏

<会長…1985年から協会で働き始め今年で12年目>

JESUS S.GARCIA TORRES  ヘスス・ガルシア・トレス 氏<秘書>

協会の規模について

「マドリッド市には3つのタクシー協会があるが、70%以上の運転手がこちらに登録
していることもあり、最も大きな協会といえる。建物は協会所有で、残り
2つの協会や、
いくつかのタクシー関係会社も入っている。現在
2階が賃物件となっている。」

会員が協会に支払う会費

1年間で2∈ 各サービスにかかる費用は別

タクシー業界規制について

「役所の規制、規則は全て冊子にまとめてあるが、古いものも多く、反対したい事柄や
変更していくべき事柄が多い。マドリッド州の
25市でさえ各市で微妙に規則が違うので、
スペイン各州で違う規制を調和のあるものにまとめるのは難しい。

…中略… しかし、国がタクシー業界に不利になるような政策を取るとは考えられない。」

●自由化については?

「自由化は大変難しいだろう。」

どのように役所と交渉するのか?

「全ての詳細資料を用意したうえで、直接対面して話す。」

政府とのコネについて

「全政党にコネがあるが、特にPARTIDO POPURAL(スペイン最大政党)との結びつきが
強い。前市長と協会との関係はきわめて良好だった。例えばクリスマスには市長が無線で
全車にお祝の言葉を送ったりなど、多くの面で協力関係があった。」


開業権利について

「マドリッド州には現在15600の登録がある。
すでにマドリッド州のタクシーは供給過剰にある。
人口
1,000人に対してタクシー2.5台が適正な数だと思うが、現在3.8人となっている。」
「このため
1974年に3,000台、1977年に226台の許可がおりて以降、新たな許可を出すこと
はほとんどなくなった。」

「協会が権利を売ったり、許可販売に関わることはない。運転手の資格を持ち、開業権利
を買いたい人はタクシー業界専門雑誌や新聞などで調べているようだ。」


その他

2001年、重油・ガスの値下げ要求運動がマドリッドで起こり、000120012時間
タクシーストライキがあった。

― マドリッド タクシー共同組合協会(無線室) ―

無線室長と6人余りのスタッフで忙しく業務をこなしていた。エラディオ会長、
ヘスス秘書、会計担当者が同行し、無線室長から業務内容の説明を受ける。

13,500件の配車依頼があるという。GPSに切り替えるための努力、調査をしている。

マドリッドの道路・交通についての印象

グランビア(最も広く中心街を南北に走る道路…御堂筋に良く似ている)とその周辺の
主な印象は、主なものでは以下の
5

 旧市街がそのまま近代化されているので、曲線を描く道路が多い

 歩道と車道の幅が広い明確な区別 

 タクシー・バス専用レーンが設けられていること(あまり守られていないらしい)

 多くの路上駐車(地下駐車場の増加が課題)

 全ての通りに名前が付けてあり、タクシーは通りの名前だけで目的地まで行く

地下鉄の値段が安く、深夜1時半ごろまで走っている。毎年新たに走行区間も延長して
いるようである。(地下鉄
1∈、タクシーの初乗りは1.45∈…詳細は別紙参照)

バスは午前0時まで市内を巡回し、いずれも市民の足となっている。

マドリッド交通組合

マドリッド州では国鉄、地下鉄、バスは中央政府、州政府、州内162の市町村で構成される
マドリッド交通組合によって管理、運営されている。バスの場合、州内のバス路線を
3つに
区分し、市内で完結する路線はマドリッド市営バスに、マドリッド市と他の市町村を結ぶ
路線は民間業者に運行委託をしている。民間バス事業者は、当該分配金と乗車券収入により
黒字経営。

マドリッドの高速道路について

前社会労働党時代には国費で無料の高速道を整備していたが、現民衆党政権になり、民間
資本を活用した整備手法が定着した。落札した企業には
50年間の管理運営権が与えられ、
料金収入でコストを賄う。必ずしも経営が安定する訳でなく、過去には不採算企業に対する
政府支援の例(融資、国有化など)がある。国有化された企業も民間企業と同条件で入札に
参加している。日本の道路公団にあたる組織はない!

日本とスペインの観光関係

スペインの観光行政は今回の主旨ではないので省略するが、フランス、米国に次ぐ第3
観光国である。観光収入は
GDPの1割以上を占め、観光産業の就業者数は全就業人口の
1割である。日本人のスペインへの旅行者数は今回私達が訪れた都市を中心に年間
50万人。スペイン人の日本への旅行者数は2001年度で13,000人。ちなみに関西定住の
スペイン人は
200人前後。ペルーなど同じスペイン語圏の定住者は2000人ぐらい。


◆バルセロナ 200396日~7日

 バルセロナ人口171万人のスペイン第2の都市。バルセロナを含むカタルーニャ州人口
400万人。カタルーニャ語がスペイン語以上に話されている。芸術の町といってもよく、
ガウディをはじめとする有名建築家の町並みはどれも印象深い。

バルセロナのタクシーは黒地に左右ドアとトランク部分を黄色にペイントしている。

空港から市内までほぼ一直線に片道3車線の道路が伸びる。空港から鉄道サンツ駅
(バルセロナで最大の駅)までは
20∈であった。サンツ駅と一体になったサンツホテルは
1992年のオリンピック時に建設された。そのサンツホテルから中心のカタルーニャ広場
までは
8∈ぐらいだった。道は広く快適で、マドリッドのようにタクシー・バス専用レーン
が設けられている。主要交差点にはスピード、赤信号停止の監視カメラが設置されている。

 初乗り料金は1.25∈とマドリッドより若干安い。メーター制で10秒毎くらいに5C
(セント)づつ上がって行く。マドリッドと同じく深夜、週末は料金があがる。
地下鉄もマドリッド同様発展している。市内巡りの観光
2階建てバスに乗る
1115∈…2日の場合は19∈)。各観光施設の割引券が付く。観光局とバルセロナ
交通局が運営する。

☆このアイデアは日本の観光タクシーに活かせる!

 19世紀後半の都市計画による道路整備により、バルセロナの道路区画はマドリッドに
比べるとより四角型になっている。旧ゴシック街は狭く迷路のようになっている。

 ホテルに迎えに来てくれたアウレリオさんが運転するタクシーでカルドナ地方へ向かう。

料金は110∈ぐらいになるということだったが、途中グエル公園に寄り道したので120∈と
なった。要塞都市カルドナは小さな町で特にこれといった産業はないが、大きな城の
パラドールと岩塩の洞窟が有名。

 バルセロナからカルドナまでは約80kmで高速道路と県道でつながっている。50∈までは
メーターを回し、その後はメーターを切り、切った地点からは距離に応じた換算となる。
運転手のアウレリオさんは私たちを乗せる前までに、その日もうすでに
220km走行
したという。
11時間走り続けていたので1時間20kmの走行。実車率は60%ぐらい
だった。

 バルセロナでのタクシー開業権利相場は54,000∈(=730万円)と他の都市に比べて
安く、
3年前は42,000∈(=570万円)でさらに安かった。アウレリオさんにとても詳しく
説明していただいたが、バルセロナの料金体系はマドリッドと基本的に同じ。交通関係の
ストライキについて聞いたことろ、アウレリオさんが知っているのは
3件で、そのうち1件は
スト不参加の車が参加者によって投石、破壊されるという激しいものであったらしい。

 給料をアウレリオさんに聞いたところ、「良い生活ができるだけの給料はもらっている。ただし、私は112時間、月~金まで、そして隔週で土曜日も働いている。」とのこと。

 納税は3ヶ月ごとで、いつも700∈(=95千円)ぐらい支払う。走行距離に応じた
率に複雑な税務上の手続きを加えた額だと言う。去年
2002年は72,000km走行した。
これを
12ヶ月で割ると1カ月6,000kmとなり、毎日平均200kmを走行したことになる。
アウレリオさんの場合は年末調整でいくらか戻ってきたらしい。逆に追加納税の場合もある。

 最終日、カルドナのパラドールからバルセロナ空港までは135∈だった。

<需給調整は?>・・・・・・政府が需給調整をおこなう

①増車、新事業参入は自由か?

マドリッド市では15,000のタクシー権利所持者と20,000人近くの二種免許所持者がいる。
タクシー権利があれば増車は可能。タクシー業にかかわる新事業は政府によって細かい規定
が定められているので不可能。交通関係の新事業はマドリッド交通組合の許可があれば可能。

②管轄はどこか?

各州政府が管轄。マドリッドの場合だと市役所が管轄する。

③事業者となる条件は?

18歳でも2種免許が取れるので、18歳からで上限はなし。

必要な資格は、普通自動車免許に加えて市役所の適正試験、そしてBTPと略される地理、
技能、車体構造の試験に合格しなければならない。

④タクシー権利の金額は?

タクシー権利はマドリッドで1,300ペセタ(=1,000万円)、バルセロナでは800万円、コルドバ
では
900万円、その他地方によって違う。タクシー権利を買いたい人はタクシー業界専門雑誌
や新聞などで調べている。

⑤規制がなければ・・・

上記のように規制がある。

⑥&⑦規制は成功しているか?失敗か?

もともと規制のない国々や規制後自由化した国々と比べると成功しているといえる。
総量規制、同一運賃などいずれも成功している。

⑧規制があれば都市とタクシーの台数のバランスは?

現在マドリッドではタクシー供給過剰となっている。タクシー協会では1000人に2.5人が適正
数と考えているが、現在は
1000人に3.8台となっている。

各都市政府が適正数を考慮し、総量規制している。

<運賃>  日本語に訳した公式料金表(PDF)

    認可制である

    自由運賃はない

    管轄は各州政府が管轄。マドリッドの場合だと市役所

    初乗り運賃

a:マドリッドでは初乗りの有効距離設定はない

  バルセロナでも同じく有効距離設定はない

b:マドリッドでは1.45ユーロ(昼夜休日同じ)

  バルセロナでは1.25ユーロ(昼夜休日同じ)

    加速運賃

ab:マドリッドでは平日は1km0.67ユーロ、夜間・休日は0.85ユーロ

  マドリッド市外では平日は1km0.85ユーロ、夜間・休日は0.95ユーロ

    割増運賃は?

a 人頭制なし

b 荷物による割増なし

c 動物は介護用であれば客の権利

d 往復料金の設定はない。往復であることがわかれば運転手は30分ぐらいなら待機する。
メーター料金外の長距離旅行であれば、スペイン人の気質からして戻り運賃を割引して
くれると思う。

e 長距離

公認の長距離運賃表がある。日本と比べると断然安い。100kmで1万円ぐらいになる。
運転手のための戻りの運賃は
100km程度なら払う必要はないが、それ以上の長距離は
ある程度の戻り運賃を支払わないと乗車に応じてくれない場合がある。

f 待機運賃

空港で待機しているタクシー乗車には4ユーロ、鉄道・バス停に待機しているタクシー
には2ユーロ、見本市会場などに待機しているタクシーにも2ユーロを待機運賃として
徴収される。

※チップは強制ではなく、サービスに応じて10%程度を渡している

    運賃改定は?

過去にバルセロナで運賃値上げのストライキがあった。地下鉄、バスの初乗り1ユーロ
なので運賃値上げは客離れにつながると思う。

<運賃と他の物価の比較>

初乗り運賃、あるいは3km位の運賃で何が買えるか?

初乗り1.45ユーロではコーヒー一杯、3km後の4ユーロでは軽い食事か
タバコが
2つ程度。

タクシーは手軽な存在。

親切な運転手が多く、夜間の安全を考えるとタクシーは気軽な市民の足となっている。

タクシー車両は?

    車体の大きさは定められている?

定められている

    タクシーの色は?

マドリッドのタクシーは白地にタスキのような赤色斜線


バルセロナのタクシーは黒地に左右ドアとトランク部分を黄色にペイント

コルドバのタクシーは白地に、CAJA SUL という銀行名が車体後部

セビリアのタクシーは白地にタスキのような黄色斜線

    バス・タクシー特定レーンがあるのか?

あるがあまり守られていない

    広告は?

広告はほとんど無い

    福祉タクシーなどの如く目的を持ったタクシーは?

身体障害者タクシーがあり、電話をすればすぐに来てくれる。

観光タクシーが主要都市にある。

    車はきれいか?
きれいでも汚くもない。しかし、やぶれたシートやゴミがあるような
タクシーは存在しない。意外にも地方のタクシーはきれいだった。

    無線タクシーは?

今回乗車したタクシー10台の約半分の車には無線がついていた

    タクシー乗場からの利用か?

流し中心。乗場は駅ターミナルを除いてほとんど見かけなかった

    スペインのタクシー創業はいつか?

1909

<運転手について>

● これより質問形式省略 ●

タクシーの運転手はマドリッドで20,000人ぐらい。

35万円くらいの収入だが、燃料費を引くと30万ぐらい。権利を持たない運転手はオーナー
への支払いがあるのでさらに低くなる。

社会的な地位は日本よりは高い。しかしイギリスほどではない。

労働時間は定められておらず、好きなだけ働いてよい。

オーナー兼運転手がほとんどということもあり、労働基準監督は厳しくない。

労働組合もいくつかあるが、タクシー協会が政府と交渉する窓口になっている。

マドリッドで2001年、重油・ガスの値下げ要求運動がマドリッドで起こり、0001200
12時間タクシーストライキがあった。バルセロナには4日間におよぶストライキがあり、
スト不参加の車が参加者によって投石、破壊されるという激しいものであったらしい。

女性は800人で外国人は全体の2%で東欧系が多い、日本人が1

2種免許があり、合格率は80

チップは強制ではなく、払うとしても10%も渡せば十分

制服はない

タクシー事故は多いという。日本のように休業補償などまでは請求できない

タクシー車種は、マドリッド市内でみるとAlfa Romero2台、CITROEN69台、FIAT299
台、FORD150台、LADA1台、Mercedes-Benz195NISSAN531台、OPEL629台、
PEUGEOT3937台、RENAUT440台、SEAT5158台、SKODA3122台、TALBOT1台、
TOYOTA342台、Volkswagen753



タクシー免許・運賃等のスペイン語資料(PDF)





「市役所の交通局」



「局のタクシー課の受付時間はなんと月曜~金曜、1日4時間のみ」



「タクシー共同無線室」



「取材中の著者(写真右)」



「取材中を終えて」



「コルドバで知り合った運転手と」



「セビージャでは観光馬車をよく見ます。暑さを耐え忍んで稼ぐ立派な馬に脱帽。」



「タクシー専用レーン!」



「セビージャの春祭り。タクシーには関係ありませんが・・・」







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Venetia, ITALY


「水の都大阪」に水上タクシーを!という構想を持つ筆者が、世界の「水の都」として名を
馳せるヴェネツィア(英語ではベニス)のタクシーを現地調査した。映画やテレビによく
登場するヴェネツィアは人口約6万人の島の風景である。海や川に囲まれている地理環境は
大阪の大正区(人口約
7万人)に似ている。その小さな島に年間なんと1,200万人が訪れるの
である。大運河と
100以上の小運河で形成されるヴェネツィアの本当(本島)の姿は水面の
高さからしか見ることができない。運河の生い立ちや歴史も興味深いが残念ながら今回の
テーマではない。

ヴェネツィアで、水上タクシーというのは810人乗りのモーターボートのことをいう。
市が発行する登録番号の黄色ステッカーを船体両側面に掲示する義務がある。高級ホテル
には専用乗場が設置されている。乗り合い制なので方向が同じでないと乗れない。乗場で
待つ人達がお互いに「どこに行くの?」と声をかけながら小団体をつくる。そして、乗場
にある呼び出し電話でタクシーを呼ぶか、停泊しているタクシーを探す。
2003年に料金
メーターが義務付けられ、ほとんどの水上タクシーにメーターが装着されているものの、
実際はほとんど使われていないという。料金は最少人員の
4人、ちょっとそこまでという
行き先の場合で想定すると、
30ユーロ(約4,200円)からの交渉となる。これに荷物料金や
チップなどを加えると
110ユーロ(約1,400円)は最低支払うことになる。他の交通手段と
比べて高いが、とにかく速い。ヴェネツィア国際空港からすぐに水上タクシーで島の中心に
向かうこともできる。所要時間
25分で80ユーロ(約11,200円)。

現地の人は水上タクシーをあまり利用せず、1ユーロで対岸に渡るトラゲッタという渡し
舟か、広範囲をカバーしながら深夜営業をする大型船ヴァポレットという水上バスを利用す
る。財力のあるものは自家用ゴンドラ(
手漕ぎボート)を所有する。現在では観光客しか
利用しないゴンドラもかつては市民の交通手段として欠かせなかった。ゴンドラは最大
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まで乗船可能で、完全な料金交渉制。時間やコースも交渉する。水上タクシーと違うのは、
どんなに狭い運河でも入り込み、とにかくのんびりと街並みを観察できること。
カンツォーネの歌やシャンパンサービスは別料金。

ヴェネツィア市の本島を除いた市の人口は約20万人(平野区と同じ)である。本島から最
も近く、国際空港があるメストレ町では
85台、リド島では12台、そして車で乗り入れること
ができない本島の水上タクシーは
30船、ゴンドラは250船など市が総量規制をしている。
陸上タクシーで既に実施されている料金の明瞭表示義務を水上タクシーに移行するという
動きは常にあるが実現は難しい。「困るのは交渉ができない観光客。我々島民は現状で何ら
問題ない。」という意識(※筆者の印象)があるかぎりは。

陸上のタクシーは初乗2km5ユーロ(約700円)、認可制で個人タクシーがほとんど。
時間距離併用メーター制なので、メーターが無い車は無認可営業の違法タクシーとみて
よい。車内外の大きな料金表や車外広告(依頼主は1ヵ月
200ユーロで契約)が目立つ。
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810時間、月20日ほど働けば最低でも1,200ユーロ(約17万円)の収入を得ることが
できる。チップの別収入あり。女性、外国人ドライバーはゼロ。車両はドイツ製かイタリア
製が全体の
95%で、平均6年間使う。2種免許の取得希望者は事業認可に関わる試験にも合格
しなければならないため、少なくとも
3か月を要する。取得上限年齢、有効期限は65才まで。
65才の誕生日を迎えたら2種免許は返納しなければならない。イタリアに限らず、先進国では
年金受給者は公共性のある仕事ができない。日本では、タクシーは完全に高齢者の仕事に
なっているが、人命を預かる職業に年齢制限が無いのは大いに疑問である。

ヴェネツィアは、歴史的遺産を持つ「過去の都市」でもあり、同時に車を持たないウォー
ターフロントは、「未来の都市」でもある。大阪でもミナミ周辺の河川周辺が再開発され、
新しい都市のありかたを模索しながら、従来の陸・車の発想から変化しようとしている。
しかし何かが足りない。それは通勤でも、ちょっとした買い物でも利用できるお客様のため
の水上タクシーである。新大阪から淀川を通ってUSJ方面などの長距離船、中ノ島周遊便
あるいは道頓堀川のような狭いところではゴンドラが登場する。
おもしろい案だと思うが
いかがだろうか?






「(ベネツィアで)陸上を走るタクシー」



「タクシー登録済証明書」



「運賃ステッカー」



「車内の様子」



「水上タクシー 黄色のステッカーが登録済証明」



「水上タクシー その1」



「水上タクシー その2」



「水上タクシー その3」



「水上タクシー その4」



「水上タクシー 船内の様子」



「水上タクシー ベネツィアならではの風景」



「ゴンドラにゆられて~」








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